みなさんこんにちは、Tです。今回は、ベテランマリンアクアリストの方に初めてのサンゴ飼育におすすめの種類をお聞きしました。非常に詳しくお答えいただいたのでぜひ最後までお読みください!
今回取材に応じたC34H34N4O4 さんはこんな人
C34H34N4O4 さん
チャーム在籍10年以上、海水飼育は16年目という大ベテラン。AQUALASSIC・MARINELASSIC兼任のライターでありビオトープや植物、水草など得意な分野は多岐に渡る。筆者はこの方を科学者だと思っている。
このペンネームは化学式が由来。このことから察せられるように、バチバチに理系のC34H34N4O4さん(以下シーさん)。持っている膨大な知識で綿密に分かりやすく動植物について教えてくれます。今回はそんな博識なシーさんが、ビギナーさんにおすすめなサンゴを深掘りして解説してくれます!
初めてのサンゴ飼育におすすめの5種
ビギナーさんにおすすめのサンゴをソフトコーラルとハードコーラルに分けて紹介します。
\ソフトコーラルとハードコーラルの違いについて詳しく知りたい方はコチラ/
ソフトコーラル
ウミキノコ
名前の通りキノコのような形をしたポピュラーなソフトコーラルです。2次ポリプが伸びるロングタイプに対して短いショートタイプの2種類が存在します。カラーバリエーションも幅広く、イエローから褐色やグリーンのものなどが存在します。基本的に飼育は容易ですが、硝酸塩やリン酸塩が高いとポリプが開かなくなることがあるため清浄な環境が必要です。
長期間ポリプが開かない場合は表面に付着したコケなどの汚れを落とすため脱皮をします。強すぎない水流を当てて様子を見ましょう。
ディスクコーラル
イソギンチャクに近いソフトコーラルの仲間です。形状はノーマルのほかに毛が生えたような質感のヘアリー、その触手の先端が膨らんだバブルディスクなどがあります。カラーもブルー・レッド・グリーンのほか、色が混じったマーブル・ストライプなど多彩なバリエーションを持つコレクション性の高いサンゴです。
ボタンポリプ
太平洋・インド洋の浅い海域に生息しているサンゴです。1cmぐらいのポリプが岩の上に網眼状の共肉でつながった大きな群体をつくります。餌も食べますが共生藻からの栄養をメインに成長します。
カワラフサトサカ
比較的大きなポリプを持つ好日性のソフトコーラルです。飼育は容易ですが強めの水流・光が必要です。温度を上げない工夫が必要なので水槽用クーラーを設置すると良いでしょう。触れたり移動したりすると縮んで硬くなりますが、そっとしておくとやがてポリプを咲かせます。
ツツウミヅタ
淡い色彩と雪の結晶を思わせる姿が繊細で美しいソフトコーラルです。調子が良いと這うようにして旺盛に増えていきます。他のサンゴに比べてポリプが大きく、可愛らしいお花のようなサンゴで人気があります。褐色をはじめポリプ全体がグリーンになる個体や、センターが蛍光グリーンになるものなどのカラーバリエーションも豊富です。ポリプの形状には、細身のナロータイプや幅の広いヘアリータイプ・雪の結晶のようなスノーポリプなどが存在します。
この5種類が問題なく飼えるなら、他のちょっと気難しいサンゴにチャレンジしても良いでしょう。
ステップアップのボーダーは「カワラフサトサカとツツウミヅタが上手く飼えるか?」です。まずはこの2種類から飼育を始めてみませんか?
ハードコーラル
お次はハードコーラル、行ってみましょう!
トランペットコーラル
イソギンチャクのような共肉をもったハードコーラルで、ほとんどがグリーン系の個体です。飼育は容易で水流はポリプがゆらめく程度、光も蛍光灯の多灯で飼育可能です。餌は環境が整っていると特に与える必要はありませんが週に1度ふやかしたクリルなどを与えると良く食べます。また毒性が強く大きく膨らんで他のサンゴを攻撃しますのでレイアウトの際は間隔を置いて配置しましょう。
キッカサンゴ
非常に丈夫で飼育しやすいため、ハードコーラル入門にピッタリなサンゴです。色はブラウン、グリーン、レッド、ブルーなどの単色やブルーにレッドのドットなどさまざまなカラーがあります。オレンジやグリーンの個体は蛍光色に輝くものも存在し、水槽内を幻想的に彩ります。キッカサンゴの仲間は毒性が強いので他のサンゴに触れないように注意してください。
オオスリバチサンゴ
その名の通り、成長した個体はすり鉢のような形になるハードコーラルです。光を好む好日性のサンゴですが、分類上は陰日性のイボヤギなどと同じ仲間に分けられます。多くがグリーン系の個体で共肉は膨らまないものの状態が上がるとポリプが良く開きます。飼育条件はあまりうるさくありませんが1~2週間に一度サンゴ用フードを与えると良いでしょう。
ウィスカーズコーラル
オーストラリアの固有種でキサンゴに似たサンゴですが、好日性で光が必要な種類です。
数年前までは非常に珍しく高価な種類でしたが、近年は入荷量も比較的多くなりました。
ポリプが大きく水槽内でもよく目立ちます。色彩のバリエーションは多くありませんが、グリーンが濃い色の個体は非常に美しいです。
ウミバラ
一輪のバラの様な形状をした独特なサンゴで板状の骨格を肉厚な共肉が覆っています。大きな群体になると骨格が迷路の様に入り乱れ複雑な形状になります。色彩は、褐色、ベージュ、グリーン系等が多く形状は様々です。
番外編!珍しいor変わったサンゴ
シーさんに追加で質問!変わったサンゴってありますか?
スコリミア
オーストラリア固有種のアザミハナガタサンゴの一種です。非常にカラーバリエーションが多く、グリーン、オレンジ、レッド、パープル等が混じりあった色彩が特徴的です。ブルーライトを照らすことにより、非常に美しく輝きます。
ウチウラタコアシサンゴ
イボヤギなどと同じ陰日性のハードコーラルで、日本では駿河湾以南に分布しています。水温が低く潮の流れが良い場所に生息しているので温度の上昇には弱いです。23℃前後に保ってください。
ポリプの大きい種類のため陰日性サンゴの仲間としてはとても飼いやすく、陰日性サンゴ入門種としてもおすすめできるサンゴです。ポリプが閉じているときは塊状ですがエサのにおいを感じると大きくポリプが広がります。共肉はホワイト・ピンク・イエロー・グリーン・オレンジなどのバリエーションがあり、カラーにより価格が大きく異なります。
ハナガササンゴ
フサフサしたポリプが密生し水流にたなびく姿がとても優雅な好日性ハードコーラルです。色やポリプの長さなどバリエーションがとても多く、色は褐色からピンクをベースに赤や緑の強いものまでさまざまなものが存在します。よく見られるポピュラーな種類ですが長期育成にはコツがいるサンゴです。
カリブ海の好日性ヤギ
種類によってはやや気難しいものもいるものの、全体的に一般的なソフトコーラルが飼えれば難しくないグループになります。流通するサンゴでタテに伸びる枝状のものは意外と多くありません。レイアウトでタテ方向にアクセントが欲しいときに活躍するサンゴです。
バブルディスクコーラル
カリブ海に生息するディスクコーラルの一種で、触手の先端が膨らんでいるのが特徴です。カラーはグリーン、オレンジ、ブルーのほか色が混じるものなど多彩なバリエーションがあり、非常にコレクション性の高いサンゴです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
ビギナーさん向けサンゴ特集はいかがでしたでしょうか?今回ご紹介したのは、コツをつかんでしまえば飼育が容易な種類がほとんどです。みなさんも色とりどりで個性的なサンゴの飼育を始めてみませんか?
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