CORAL LOVE 第2回 <ソフトコーラルとハードコーラル>

CORAL LOVE
CORAL LOVEサンゴ

皆さんこんにちは、Tです。突然ですがサンゴは好きですか?当コラムは、これからサンゴを飼育したいと思っている方に向けてサンゴの基礎知識を発信するものです。第2回はソフトコーラルとハードコーラルについて。どんな違いがあるのかしっかり学んでいきましょう。

サンゴをジャンル分けする指標

世界には約800種ものサンゴがいるといわれています。サンゴは、ポリプという小さなイソギンチャクのような形で、ポリプ単体で生息する非造礁サンゴとポリプがたくさん集まってサンゴ礁を形成する造礁サンゴに分けられる……「CORAL LOVE」第1回ではそんなお話をしたと思います。そして、マリンアクアリウム・サンゴ飼育に用いられるい多くの種類は造礁サンゴであるということも。実は、この造礁サンゴたちをさらに細かくジャンル分けできるんです。

クイズ!ソフトorハード?

造礁サンゴは大きく2つに分けられます。それが、「ソフトコーラル」と「ハードコーラル」です。と、言われても……なにが何だか。筆者には全てのサンゴがゆらゆらしていてるようで柔らかそうに見えます。

突然ですが、クイズ!ソフトorハード?

これからサンゴの画像をお見せします。そのサンゴがソフトコーラルかハードコーラルか当ててみてください。100%勘で良いです。

ではさっそく、第1問!このサンゴは~?

Q.ソフトorハード

A.ソフトコーラル(カワラフサトサカ)

どんどんいきますよ!第2問!このサンゴは~?

Q.ソフトorハード

A.ハードコーラル(オオバナサンゴ )

これが最終問題です!第3問!このサンゴは~?

Q.ソフトorハード

A.ハードコーラル(ウチウラタコアシサンゴ)

何問正解しましたか?間違えてしまった方、ご安心ください。筆者も調べながら「このサンゴはきっとソフトコーr…ハード!?」となったものです。ここからは、本格的な両者の違いについて学んでいきましょう!

ソフトコーラルとハードコーラルの違い

では、ソフトコーラルとハードコーラルの決定的な違いは何なのでしょうか?それは、サンゴの体のしくみにあります。

そのポイントは骨格が硬い・柔らかいの違いです

ソフトコーラル

細かい石灰質の骨格を体の中にバラバラな状態で保持しており、軟らかい体であることが特徴です。一部のヤギの仲間では“脱皮”をする種類も存在します。ポピュラーな種類では、マメスナギンチャクやウミキノコ、ツツウミヅタ、スターポリプなどがソフトコーラルに分類されます。水中でゆらゆらとなびく姿を観察できますよ。

ソフトコーラルに分類されるサンゴ
マメスナギンチャク
ウミキノコ
ツツウミヅタ
スターポリプ

ハードコーラル(LPS・SPS)

一般的に造礁サンゴと呼ばれるグループです。ソフトコーラルとは異なり硬い骨格を持っています。共肉が軟らかくて大きい種でも、縮んだ状態で硬い骨格が確認できればハードコーラルに分類されることが多くなります。ミドリイシ、カクオオトゲキクメイシ、コエダナガレハナサンゴなどがこの部類に該当します。

トランペットコーラルと思われる骨格
ミドリイシの骨格
ハードコーラルに分類されるサンゴ
コエダナガレハナサンゴ
ウィスカーズコーラル
カクオオトゲキクメイシ
オオバナサンゴ

LPSとSPS

ハードコーラルはポリプの大きさによりさらに細かく分類できます。
大きなポリプを持つサンゴをLPS(Large Polyp Stony)、小さなポリプを持つサンゴをSPS(Small Polyp Stonyといいます。この分類の差は骨格の表面の凹凸の大きさと骨格の頑丈さです。LPSは骨格の表面の凹凸が大きくとても硬い、SPSは骨格の表面の凹凸が小さく比較的もろいという特徴があります。とはいえ、ここは非常にややこしい部分で上記で説明した特徴とは真逆の種類も存在します。さらに一見するとSPSに見えるけれどLPSの仲間という種類も。飼育する際は事前にサンゴについてよく調べたり、専門店の方に聞いてみるのが良いかもしれませんね。

LPSに分類されるサンゴ
キッカサンゴ
キクメイシの仲間(画像はアマクサオオトゲキクメイシ)
スコリミア
トランペットコーラル
SPSに分類されるサンゴ
ミドリイシ
コモンサンゴ
ショウガサンゴ
ハナヤサイサンゴ

ソフトコーラルとハードコーラルの飼育難易度

ソフトコーラルとハードコーラルの違いは分かりました。ではこの2種類の飼育難易度に差はあるのでしょうか?サンゴの飼育を始めたいみなさんは知りたいですよね。

一般的にはソフトコーラルの方が飼育しやすい

結論から言うとソフトコーラルの方が飼育が簡単です。もちろん難しい種類もありますが、ハードコーラルに比べれば圧倒的に飼育しやすいでしょう。また、一般的にポリプが短い種類より長い種類のほうが飼育難易度は低いといわれています。

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このようにいわれるのにはもちろん理由があります。

ソフトコーラルが飼育しやすいといわれるのはどうして?

この疑問のキーワードは「カルシウム」と「リン酸」。

先述したようにハードコーラルとソフトコーラルの違いは明確な骨格を形成するかどうかにありますが
飼育難易度はこの骨格の大きさに関係してきます。サンゴの骨格の主成分は「炭酸カルシウム」です。
水槽内ではリン酸が水質悪化の原因となりやすいのですが、このリン酸はカルシウムと結びついてハードコーラルの骨格を形成を阻害してしまいます。このことから、明確な骨格を持たないソフトコーラルはハードコーラルよりも水質悪化に強いといえます。これがソフトコーラルの方が飼育しやすいといわれている理由です。

ポリプが大きい方がより飼育しやすいといわれるのはどうして?

これは陰日性サンゴの場合です。陰日性サンゴはポリプが大きいほうがエサを選ばず、大きめの冷凍エサや人工エサを与えることができます。ポリプが小さい陰日性サンゴでは動物性プランクトンや植物性プランクトンなどの小さなエサを常に摂餌できる環境が必要です。綿密な環境整備やエサの入手難易度などの関係から、ポリプが大きい方が飼育しやすいといわれているのですね。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

ソフトコーラルとハードコーラルの違いはお分かりいただけたでしょうか?サンゴのおもしろさがまた一段と深まりました。

では、次回にまたお会いしましょう。

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投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

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