皆さんこんにちは、Tです。突然ですがサンゴは好きですか?当コラムは、これからサンゴを飼育したいと思っている方に向けてサンゴの基礎知識を発信するものです。第3回はサンゴの性質の1つである「好日性」と「陰日性」がテーマ。飼育方法にも差が出てくるので今回も一緒に学んでいきましょう。
学ぶほどに奥深いサンゴ
これまでのCORAL LOVEではサンゴの生態からソフトコーラルとハードコーラルの違い、そしてハードコーラルの中にもポリプが大きいLPSとポリプが小さいSPSに分けられる事を学んできましたね。実は、サンゴにはもうひとつ大事な分類があるのです。それが今回のCORAL LOVEのテーマ「好日性」と「陰日性」の2つ。なんとなく漢字から連想すると、好日性は日光が好きなサンゴといったところでしょうか。でも、陰日性とは・・・?陰と日・・・。う~ん、スッキリしない!調べてみます!
違いは植物的か動物的か
そうだ、まずは漢字の読み方です。それぞれ好日性(こうにちせい)と陰日性(いんにちせい)と読みます。両者の違いは「より植物的なサンゴ」か「より動物的なサンゴか」です。どういうことか説明します。
好日性サンゴの特徴
好日性のサンゴは、褐虫藻との共生により光合成を行って栄養を生成・吸収します。造礁サンゴの多くが好日性です。飼育面ではソフトコーラルの好日性の多くが容易に飼育可能とされ、サンゴ飼育の入門種も多く存在します。設備面では光合成をすることから推測できるように、ライトが非常に重要です。サンゴが成長できる波長・光量を満たすライトを選択しましょう。
陰日性サンゴの特徴
陰日性サンゴは、深場や岩陰に生息するサンゴの仲間です。光に依存せず、プランクトンや他の生物を捕食して栄養を吸収します。餌が必要になるため水質維持もよりシビアになり、飼育環境を整える設備が多くなりがちです。このことから、一般的に好日性サンゴと比べて陰日性サンゴの方が飼育が難しいとされています。少々クセのある性質を持っているため、他のサンゴと組み合わせて飼育することは少し難しいです。ただ、好日性サンゴとは雰囲気の違ったレイアウトを楽しむことができる種類です。
同じサンゴであっても全く特徴が異なることが分かったと思います。ということは、飼育方法にも差が出てくるはずです。
陰日性サンゴをもっと深く
陰日性サンゴではポリプの大きさでタイプが分かれます。
ポリプが大きい種類の一例
ポリプが小さい種類の一例
好日性サンゴと陰日性サンゴの飼育
ここからは飼育方法に着目して解説していきます。ここでは、塩や保温・保冷用品などサンゴ飼育に限らずマリンアクアリウムで絶対に必要となる物は割愛させていただきます。
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好日性サンゴの飼育方法
まずは、好日性サンゴの飼育方法についてです。好日性サンゴは第1回や第2回で紹介したソフトコーラルやハードコーラルなど造礁サンゴの大部分を占めています。このグループは体内で褐虫藻という微生物と共存しています。この褐虫藻が光合成を行うことによって、サンゴが栄養分を得ます。基本的には、水流ポンプ(サーキュレーター)などを用意しましょう。
サンゴ用ライト
水流ポンプ(サーキュレーター)
サンゴ用フード・添加剤
陰日性サンゴの飼育
褐虫藻を介して光合成をして栄養を得る好日性サンゴとは違い、陰日性サンゴは光に頼らず動物を捕食してエネルギーを得ています。種類によって食べるエサや与え方が違うのはもちろん、適温が20℃前後と低水温を好む種が多いです。
エサを与えるということは、飼育者が「光」の代わりをせねばなりません。それに、水質の変化に敏感な種類も多く、それに見合った維持管理も必要です。「光がいらないから」「エサを与えるだけ」という考えで、設備をおろそかにするわけにもいかないということです。
先述したように、陰日性サンゴはポリプの大小で大別されますがこれによって飼育方法が異なります。
好日性サンゴと比べると陰日性サンゴの飼育は種類によってはより高性能な飼育設備が必要になることが分かりました。では、どんなものが必要になるのか実際に見ていきましょう。
水槽
先述したとおり、飼育したい陰日性サンゴのポリプの大きさによって推奨されるプロテインスキマーが変わります。それによって、水槽もプロテインスキマーの性能にあった水槽を使うとよいでしょう。
ポリプの大きい陰日性サンゴのほとんどはLPSが育っている環境であれば育成可能です。マリンアクアリウムに適した塩ダレ防止にもなる加工が施されたこちらの水槽がオススメです。
ポリプの小さな陰日性サンゴのエサやりは「細かいエサを1日にこまめに」が基本です。スポイトなどで行うため水中に舞いやすく食べ残しも多くなります。その結果、水質の悪化が加速するので水質の維持のためにも強力なインサンプ型の大型プロテインスキマーが使えた方がうまく飼育できます。強力なプロテインスキマーを使用するためにはオーバーフロー水槽の設置をオススメします。
プロテインスキマー
ポリプの大きい陰日性サンゴはLPSと同じプロテインスキマーで飼育可能です。お手軽な外掛け式(ハングオン型)プロテインスキマーで十分でしょう。
ゼンスイ 外掛式プロテインスキマー
エターナルナノスキマー QQ1
ゼンスイ 外掛式プロテインスキマー
エターナルナノスキマー QQ3
カミハタ 海道達磨
アクアリウム システムズ スキム M-80
照明
照明は明るすぎないブルー系をメインに使用します。照明が明るすぎるとポリプや骨格にコケが生えてしまうので注意しましょう。また、陰日性サンゴにも蛍光色を持つ種類がおり、蛍光色を出すためにこのタイプの照明を使用します。
水温
一般的に流通する種類は20~23℃程度がよいでしょう。まれに出回る深場の種類は18~20℃程度とより低水温で管理します。
※ほとんど出回らないですが100m以深の深海産なら15℃程度での管理が必要です。
イソバナやオオトゲトサカは水温に比例して代謝が上がり体力の消費が激しくなりやすいです。20℃程度での飼育が状態を崩しにくく、うまくいきます。
サーキュレーター
ポリプの大きい陰日性サンゴの飼育はLPSと同じサーキュレーターでOKです。
ポリプの小さい陰日性サンゴの飼育では水流は太くて強い、左右に揺れるような水流が理想です。これを実現させるためにコントローラー付きのサーキュレーターの設置をオススメします。60×45×45cm以上のサイズの水槽では、コントローラー付きのサーキュレーター2台で左右から間欠水流が来るようなセッティングで設置しましょう。
\サーキュレーターを詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!/
スマホアプリと連動した次世代型サーキュレーター
レッドシー Reef Wave
コントローラーで豊富な水流を再現できる
ボルクスジャパン VestaWaveシリーズ
エサ
ポリプの大きな陰日性サンゴたちは、他のサンゴと比べて大きなエサを捕食します。代表種の写真と共に種類別にオススメのエサを見ていきましょう。
ウチウラタコアシサンゴには・・・
冷凍生クリル
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イボヤギの仲間には・・・
ホワイトシュリンプ
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ヤギ、トゲトサカ、ウミイチゴには・・・
コペポーダ
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比較的飼育の難しい陰日性サンゴの飼育が楽になる!?
好日性サンゴに比べて飼育の難易度が高い陰日性サンゴ。その飼育が格段に楽になる用品があるんです!それがこちら!
この機材は「ドーシングポンプ」といいます。添加剤を1滴ずつじわじわと添加していく機材です。ドーシングポンプがあると、ヤギやトゲトサカなどのポリプの小さい陰日性サンゴへの給餌が格段に楽になります。飼育水中に常に餌がある状態、自然の海のような環境を再現しやすくなります。
※ただし、その分強力なプロテインスキマーが必要になります。
ドーシングポンプは添加剤であるエサをセットして稼働させます。その中でもおすすめなのが植物性プランクトンがン中心に使われているものです。
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沖縄宮古島の培養ファームから生まれたプレウロクリシスは、カルシウム成分・不飽和脂肪酸・EPA・DHAが高く、他にデュナリエラやクロレラ・スピルリナが含まれています。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?今回は好日性サンゴと陰日性サンゴの違いについて解説しました。似ているようで似ていないサンゴ。それぞれに合った飼育方法で最大限に楽しみましょう!
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