みなさんこんにちは、Tです。突然ですが、海水水槽で忌み嫌われている「カーリー」という存在をご存じでしょうか?今回は、カーリーとは何者なのか?どうしたら駆除できるのか?をじっくり解説します!
カーリーとは何者なのか?
カーリーとは何者なのか?まずは、その正体について見ていきましょう。
属名 | Aiptasia |
名称 | カーリー |
和名 | セイタカイソギンチャク |
大きさ | 数ミリ~数センチ |
特徴 | 強い刺毒性を持っており接触したサンゴを弱らせる。 驚異的な生命力と繁殖力を持ち、水槽内に増殖していく。 |
カーリーというのはアクアリウム界隈での通称で、正式名称はセイタカイソギンチャクといいます。学名はアイプタシア。名前からも分かるようにカーリーはイソギンチャクの仲間です。体内にサンゴと同じ褐虫藻を共生させており、光合成と触手から取り込むプランクトンを栄養源としています。
カーリーは海水水槽にどんなデメリットがある?
このカーリーという存在は海水魚・サンゴの飼育において、どのようなデメリットをもたらすのでしょうか。以下の3項目にまとめてみました。
・醜い見た目
・強い刺胞毒
・驚異的な生命力・繁殖力
醜い見た目
マリンアクアリストの中には「かわいい!」という人もいますが、大半の人は「なんだこれ……」という反応されるような見た目をしています。個人での感じ方は自由です。しかし、後述する驚異的な繁殖力が引き金となり、放置しているとレイアウト全体で見たときに景観を損なう存在となります。
強い刺胞毒
強い刺胞毒。これが1つの大きな問題でしょう。カーリーの強力な毒は、触れたサンゴを溶かして弱体化させてしまいます。
驚異的な生命力・繁殖力
カーリーが厄介者といわれるゆえんが、驚異的な生命力と繁殖力です。カーリーが生きるのに適している環境はサンゴの育成メインで運営している水槽と同等の環境、サンゴより生命力が強く多少環境が悪化した程度では消滅することはありません。さらに厄介なことに、カーリーは潰すなどの物理的刺激を与えると破片から増殖します。身の危険を感じると子株を出して世代交代を行います。
見た目と増殖方法は淡水で厄介者扱いされている「ヒドラ」に似ていますね。
一度発生してしまうと、手が付けられなくなってしまうカーリー。実に恐ろしい存在です。
カーリーを駆除したい!
どうにかしてカーリーを駆除したい!駆逐したい!でもこんな相手どうしたら……。
安心してください、これから具体的な駆除方法をいくつかご説明します。
カーリーの侵入経路
本格的な気駆除方法の前に、そもそもカーリーは、いつ・どこから水槽に侵入してくるのでしょうか。
侵入経路を知っておくだけで、カーリーの水槽内での増殖を未然に防げる確率がグンと上がります。
侵入経路のカギを握るのは海水アクアリウムでは欠かせない「ライブロック」です。ライブロックを直訳すると「生ける岩石」。その名の通りライブロックの表面や内部にはさまざまな生き物や微生物が付着しており、正しく使うことができれば海水水槽の水質を安定させるうえで非常に有用です。しかし、ここに落とし穴がありました。
実は、買ってきた天然ライブロックにカーリーが付着しており、気づかず導入してしまうケースがほとんどなんです。最初は何もいないように見えますが、しばらくすると成長して目視で確認できるようになります。
そんなことにならないようにライブロックを水槽に導入する前に、キュアリングを行いましょう。
\キュアリングについての詳しい説明はこちらの記事で!/
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水槽環境別 カーリーの駆除方法
それでは、本格的にカーリーの駆除方法を見ていきましょう。水槽がどんな環境下によって少しずつ方法が変わってきますので、お手持ちの水槽と照らし合わせながらご覧ください。
カーリーの駆除方法は大まかに以下の2つです。
①薬品を使用する
②生体を活用する
薬品を使用してカーリーを駆除する
まずは薬品を使用して駆除する方法です。こちらが確実かつ迅速にカーリーを駆除できる方法といえるでしょう。ただし、水槽内に薬品に生体がいる場合は様子を見ながら使用しなければなりません。
おすすめのカーリーの駆除薬はこちら
アイプタシアX 60mL カーリー駆除剤
アイプタシアX 500mL レフィル カーリー駆除剤
カーリーを駆除できる独自開発の粘着性のある液体です。飼育水の科学的バランスに影響を与えないので安心して使用できます。
ストレート&角度のある注射針付属ですぐに使えるのがポイントです。使用回数は約100回となります。
カーリー駆除剤 カーリーキラー 20cc
カーリー駆除剤 カーリーキラー 詰め替え用 50cc
ビンの底に沈殿している粉末をカーリーの口(口盤)に乗せるとエサと間違えて食べてしまいます。すると強力なアルカリ成分でカーリーの細胞を溶かして24時間以内に根本(足盤)まで消滅させます。原料が海水組成成分のため、水質に敏感なサンゴやイソギンチャク、無脊椎動物、海藻にも安心です。
本品は固まり(集合体)の状態でのみ強力な細胞破壊力を示すもので、海水で薄まったり舞い上ったりしたものが飼育生体に付着しても悪影響はありません。忍び寄る有害生物に備えてぜひいかがでしょうか。
生体を活用してカーリーを駆除する
薬剤を使用するのは気が引けるという方は、生体の力を借りてみましょう。薬剤を使用しないため、水質の変化に敏感なサンゴなどが調子を崩しにくいという点がメリットです。ただし、これらの生体はマメスナギンチャクなどの小さなソフトコーラルをかじったり食べてしまう可能性があります。また、体の小さな生体が多いので混泳相手やレイアウトに一工夫が必要です。
薬剤に比べ時間がかかるという点も念頭に入れておきましょう。
上記の種類がカーリー対策として有名です。ただし、先述した通りマメスナギンチャクなどの一部のサンゴが食害に合う可能性がありますので十分注意しましょう。
自分の水槽には投薬?生体? カーリー対策早見表
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対策法 | メリット | デメリット | コンディション |
薬剤 | 即効性がある | ・デリケートなサンゴには不安 ・やや高価 | ・LPSやマメスナギンチャク、バスレットなどを飼育している水槽 |
エビ類 | ・薬物を使用しない ・多くのサンゴに安心 ・入手しやすい | ・個体差がある ・マメスナギンチャクには危険 ・高水温に弱い ・エビを食べるバスレットやベラと飼育しにくい | ・サンゴメインの水槽 |
フチドリカワハギ | ・薬物ではない ・高水温に強い ・魚に食べられにくい | ・サンゴや甲殻類などを食べることも ・入手しにくい | ・魚メインの水槽 ・サンゴの状態がよく、サンゴを隔離可能な水槽 |
カゴカキダイ | ・イソギンチャク類を好んで食べる ・入手しやすい | 食の好みの個体差が激しく、カーリーをなかなか食べない事も | ・魚メインの水槽 ・サンゴの状態がよく、サンゴを隔離可能な水槽 |
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
恐ろしいカーリーもその生態と対処法を知っていれば怖くない!カーリーのいない水槽を目指しましょう。
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