どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介するのはギンガハゼ。
鮮やかな黄色の体色と、頬や背ビレを中心に入る水色のスポットが星空のように美しいハゼです。
イエロータイプとグレータイプが知られています。
本種はテッポウエビと共同生活を送る「共生ハゼ」の一種であり、テッポウエビの掘った巣穴に住まう興味深い生態の持ち主でもあります。
ギンガハゼとは
生物学的情報 | |
---|---|
名前 | ギンガハゼ |
学名 | Cryptocentrus cinctus |
分類 | スズキ目ハゼ亜目ハゼ科 |
食性 | 雑食 |
分布 | 西部太平洋 |
飼育要件 | |
---|---|
飼育しやすさ | ★★★★★ とても容易 |
入手しやすさ | ★★★★★ よく見かける |
混泳しやすさ | ★★☆☆☆ 混泳不向き |
サンゴとの相性 | ★★★☆☆ 注意を要する |
最大体長 | 8cm程度 |
適正水温 | 23~26℃ |
比重 | 1.021~1.024 |
備考 | ニシキテッポウエビとペアを組みやすいです。 |
ギンガハゼは西部太平洋に広く分布する、共生ハゼの一種です。
日本でも黒潮の影響を受ける地域であれば、見つかることがあるようです。
共生ハゼきっての美種として知られており、大変人気の高い海水魚です。
本種の飼育に関しては、海水魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていれば、それでOKです!
飼育難易度は、海水魚としてはかなり丈夫な部類に入るため、大変容易といえます。
水質の変化に強く餌付けもしやすく、はじめて飼育する海水魚としてもうってつけです。
バリエーション
ギンガハゼ グレータイプ
学名:Cryptocentrus cinctus
ギンガハゼはイエローの個体が多く流通しますが、グレーの個体も見られます。
単なる色彩変異であるらしく、どちらも種としてはギンガハゼです。
突然変異にしては個体数が多いので、個体差レベルの表現と思われます。
飼育に関しても相違点は特になく、色が違うのみとなります。
こちらは落ち着いた色彩が魅力です。
イエロータイプに比べると若干流通は少なめです。
お好みで選ぶと良いでしょう。
相性の良いテッポウエビ
本種はニシキテッポウエビとペアを組みやすいです。
ランドールピストルシュリンプや、コシジロテッポウエビとはペアを組みづらいようです。
ニシキテッポウエビ
学名:Alpheus bellulus
白地に赤褐色~茶色のバンドが入るポピュラーな中型テッポウエビの一種です。
片方のはさみが大きく、ここからパチンパチンという音を出して敵を威嚇(いかく)します。
砂地に巣穴を作りますが、視力が弱いため見張り役としてハゼと共生します。
ギンガハゼと相性が良いテッポウエビとして知られます。
有用なアイテム
おすすめの組み合わせは次の通りです。
水槽 | フィルター | 底床 | 餌 | 海水 |
---|---|---|---|---|
30~60cm | 外掛け、上部、外部 | サンゴ砂 | フレーク、顆粒(沈下性) | 人工海水 |
最大でも8cm程度と小型であること、複数飼育には向かないことから、小型水槽での飼育にも向いています。
ハゼとエビ1ペアのみの飼育であれば30cm水槽でも飼育できますが、基本的には60cm水槽での飼育がおすすめです。
30cm水槽以下であればプロテインスキマー機能付き外掛け式、それ以上のサイズの場合は上部式か外部式がおすすめです。
プロテインスキマー機能のついていないフィルターを利用する場合、ぜひ設置したいところです。
「ゼンスイ エターナルナノスキマー QQ1」は60cm以下の水槽に幅広く対応できる、汎用性の高いプロテインスキマーです。
粒サイズ1~2mm程度の小粒のサンゴ砂と、15~20mm程度の大粒のサンゴ砂をブレンドするのがベストです。
大粒のサンゴ砂の代わりに、ライブグラベルを採用するのも有効です。
テッポウエビとの共同生活を観察したい場合は、ライブロックの設置も有効です。
水質の安定にも役立ちます。
形状は特に岩塊状のものが、その周囲に巣作りしやすくなるためおすすめです。
枝状のものは巣作りに関してあまり有効ではないようです。
顆粒またはフレークの人工飼料が良いでしょう。どちらを与えてもよく食べます。
餌付けに困ることはほとんどありません。
それほど水質にシビアな魚種ではないので、人工海水を用いると良いでしょう。
比重は1.021~1.024程度が適正値です。
溶解量は水温によっても変化しますが、水1Lあたり約35gの溶解が目安となります。
共生ハゼ全般に共通する基本的な性質については、共生ハゼ共通ページをご覧ください。
混泳について
魚との混泳
ギンガハゼは巣穴に近づく生物に対して、特に自分より体格の小さい相手には激しく攻撃します。
テッポウエビのみの混泳か、上層を泳ぎ巣穴に近寄らない魚との混泳が適しています。
混泳については同属、同種間では激しく縄張り争いをするので単独かペアでの飼育をおすすめします。
ライブロックなどの配置にもよりますが、30cm水槽で1匹、60cm水槽で2~3匹が限度です。
ギンガハゼより一回り大きいサイズの遊泳ハゼやギンポの仲間であれば混泳は可能です。
テンジクダイの仲間も攻撃性がなく、上層を泳ぎ巣穴に近寄らないため向いています。
それ以外の魚種は入れれば入れるほど、ギンガハゼの警戒心が高くなります。
結果、巣穴に引きこもりがちになり、あまり顔を見せてくれなくなります。
ギンガハゼの観賞を中心としたい場合は、テッポウエビのみとの混泳がベストです。
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
ヤッコ・エンゼル | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
チョウチョウウオ・ツバメウオ | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
ハギ・ニダザイ | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
クマノミ | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
ハゼ・ゴビー | △ | 遊泳性ハゼなら混泳可能です。 共生ハゼ同士は激しくケンカすることがあります。 |
カエルウオ・ブレニー | 〇 | カエルウオの方が大きければ混泳可能です。 |
ベラ | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
ハナダイ・ハナゴイ | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
ニセスズメ・バスレット | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
テンジクダイ | 〇 | 遊泳域が異なるうえ、泳ぎがゆっくりで温和です。 攻撃性を持たないため、比較的混泳しやすい組み合わせです。 |
ジョーフィッシュ・サンゴアマダイ | △ | 神経質な性格をしています。 お互いに警戒して引きこもりがちになります。 |
フグ・カワハギ・モンガラ | × | ギンガハゼが捕食される可能性があります。 |
ゴンベ・トラギス | △ | ギンガハゼが警戒して引きこもりがちになります。 |
アナゴ・ウツボ | × | ギンガハゼが捕食される可能性があります。 |
チンアナゴ | △ | 神経質な性格をしています。 お互いに警戒して引きこもりがちになります。 |
マンダリン・スクーター | △ | 遊泳層がかぶり、エサの取り合いで不利になりやすいです。 |
タツ・ヨウジウオ | × | ブラインシュリンプ幼生など微小な生き餌を専食します。 食性が合いません。 |
カエルアンコウ・カサゴ | × | ギンガハゼが捕食される可能性があります。 |
エイ・サメ | × | ギンガハゼが捕食される可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。
基本的には、テッポウエビのみと混泳させるのがベストといえるでしょう。
サンゴ水槽との相性
ギンガハゼとサンゴとの相性は、あまり良くはありません。
共生するテッポウエビの巣穴の拡張工事が頻繁に行われるため、ライブロックの根元に生えているサンゴは埋め立てられてしまう恐れがあるからです。
ただし巣穴の近くにサンゴを置かないこと、ライブロックの頭頂部に固定することなど、工夫次第では共存も可能です。
サンゴを入れる場合は、ウミキノコやウミトサカなどの丈夫なソフトコーラル系が良いでしょう。
ギンガハゼ まとめ
ギンガハゼ。
共生ハゼとしては最も流通が多く、入手も飼育もしやすい魅力的なハゼです。
イエローとグレーの2色がありますが、どちらも飼育上の性質は特に変わりません。
お好みで選ぶと良いでしょう。
なお、イエローの方が若干流通量が多いようです。
相棒とするテッポウエビは、ニシキテッポウエビと組み合わせましょう。
それ以外の種とはペアを組みにくいようです。
頬から背ビレにかけて散りばめられた斑点は、まるで銀河の星々のよう。
はじめての海水魚としても、おすすめできる一種です。
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