今回はクマノミから見た、主要な海水魚との混泳相性を早見表にしてみました。
クマノミは混泳水槽の中心的存在として入れられることも多いですが、その場合はいくつかの注意点もあります。
クマノミとそれ以外の海水魚を混泳させる際の判断の目安にご活用ください。
混泳におけるクマノミの傾向
混泳適性:◎ 種類によっては△
クマノミは海水魚の中でもトップクラスに混泳させやすいグループです。
ですが、種類によって性質は大きく変わります。
混泳に向いているのはカクレクマノミやぺルクラクラウンなどあまり大型にならない種類です。
ハマクマノミやスパインチークなど大型になるクマノミはテリトリー意識が強く、ペアを組んだ大型個体は気が荒くなります。
混泳させるときは、この点を注意しましょう。
同種と混泳させるときの注意点
ハマクマノミやスパインチークなど大型クマノミは同種同士で激しく争う傾向があります。
そしてクマノミは性転換する魚でもあります。
オス同士を混泳させると、体が大きく力関係の強い個体がメスに性転換してペアを組みます。
大型クマノミの場合、力関係が落ち着く前に弱い個体をボロボロにしてしまうことがあります。
ペアを組ませるために複数匹入れる場合は、下記の注意点を押さえてください。
カクレクマノミやぺルクラクラウンは穏やかな性格の個体が多く、クマノミの仲間でも特に混泳しやすい種類です。
しかし、ワイルド個体は産地が違うと若干小競り合いをする可能性があります。
混泳を前提とした場合にはケンカをしにくいブリード個体がおすすめです。
クマノミと共生するイソギンチャクについて
飼育にはクーラーとプロテインスキマーが必要です
イソギンチャクを一緒に飼う場合はサンゴ水槽と同じ設備が必要となります。
イソギンチャクが状態を崩すと一気に水槽崩壊してしまう可能性が高いため、まずは飼育設備を確認しましょう。
共生イソギンチャクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
併せてお読みください。
混泳相性一覧表
混泳相手 | 混泳相性 小型クマノミ | 混泳相性 大型クマノミ | 備考 |
---|---|---|---|
ヤッコ・エンゼル | 〇 | 〇 | 問題なく混泳できるケースは多いのですが、 個体の性格差が大きいため確実に安全とは言えません。 大型種との混泳には必ず隠れ場所を作ってください。 そして日頃の観察をしっかり行いましょう。 一部の種類にポリプ食性のものがいます。 そういった種類はイソギンチャクとの混泳ができません。 |
チョウチョウウオ・ ツバメウオ | ◎ | ◎ | クマノミとの混泳自体はほとんど問題ありません。 しかしポリプ、サンゴ食性を持ちます。 イソギンチャクとの混泳ができません。 |
ハギ・ニザダイ | 〇 | 〇 | ヤッコと比べると混泳はしやすいと言えます。 小型種とは問題ありません。 大型種とは個体の性格による相性で変わります。 やはり日頃の観察をしっかり行いましょう。 |
スズメダイ | × | △ | 小型のうちは混泳可能ですが、おすすめしません。 大きく育つと気が強くなる種類がほとんどです。 クマノミ中心で飼育するなら混泳は避けましょう。 ※デバスズメダイは例外的に混泳しやすい傾向があります。 |
遊泳ハゼ・ ベントスハゼ | ◎ | △ | 小型クマノミとは問題なく混泳可能です。 大型クマノミには背ビレなどを齧られることがあります。 混泳させるならカクレやぺルクラが良いでしょう。 |
共生ハゼ | 〇 | × | テッポウエビが大型クマノミを警戒して外に出なくなります。 テッポウエビが食べられてしまうこともあるため、 大型クマノミとは混泳を避けましょう。 |
カエルウオ・ ブレニー | ◎ | ◎ | 基本的には問題ありません。 しかし、稀にギンポの大型個体に気の荒い個体がいます。 ケンカをしていないか、しっかり観察しましょう。 |
ベラ | ◎ | 〇 | クマノミとの相性は問題ないことが多いです。 しかし、ベラの仲間は甲殻類を好んで食べます。 エビは入れないようにしましょう。 |
ハナダイ・ ハナゴイ | ◎ | 〇 | 小型クマノミとは問題なく混泳可能です。 臆病な種類が多いため、気の強い個体は厳禁。 飛び出しも多いのでフタをしっかり閉めましょう。 |
ニセスズメ・ バスレット | ◎ | 〇 | クマノミとの混泳は問題ありません。 しかし同種で激しく争います。 小型個体は打たれ弱い面があります。 体格差のある気の強い魚との混泳は避けましょう。 |
テンジクダイ | ◎ | ◎ | 特に問題はありません。 大型のクマノミに追い散らされることがあります。 テンジクダイが攻撃されていないか様子を見ましょう。 |
ジョーフィッシュ・ サンゴアマダイ | ◎ | △ | 大型クマノミが頭上を泳ぐのは落ち着かないようです。 混泳させるならカクレクマノミやぺルクラが無難ですが、 テリトリーが重ならないよう広い水槽で飼いましょう。 |
コショウダイ・ フエダイ | × | △ | ※フエダイやコショウダイの仲間はフィッシュイーターです。 体格差があるとクマノミが食べられてしまう可能性があります。 |
ヒメジ | 〇 | 〇 | 基本的に問題はありません。 この仲間は大きくなる種類が多いです。 混泳には90×45×45cm以上の水槽を用意しましょう。 |
大型フグ・ カワハギ・ モンガラ | × | × | ※大型フグやモンガラは鋭い歯を持っています。 口に入らないサイズでも噛み切られてしまうことが あるため混泳は危険です。 |
小型フグ | ◎ | 〇 | 小型種との混泳はほとんど問題ありません。 大型クマノミには追いかけられることもあるので注意しましょう。 |
ゴンべ・トラギス | 〇 | 〇 | サイズ差がなければ混泳には問題ありません。 ※ゴンべのサイズが大きいと危険です。 甲殻類を積極的に捕食する性質が強いので エビがいるなら混泳はさせないほうがいいでしょう。 |
アナゴ・ウツボ | × | × | クマノミを捕食します。 リボンイールの仲間は例外です。 しかし、口に入るサイズの混泳は危険です。 |
チンアナゴ | 〇 | × | 大型クマノミが頭上を泳ぐのはストレスになります。 カクレクマノミやぺルクラとの混泳が安全です。 |
マンダリン・ スクーター | ◎ | 〇 | 基本的には問題ありません。 ただし小型個体は弱い面があります。 サイズ差があると突かれることもあるため注意しましょう。 |
タツ・ヨウジウオ | △ | × | カクレやぺルクラの穏やかな個体となら可能です。 混泳魚にエサを横取りされて食べられなくなるので 同種か近い種類のみの飼育が望ましいです。 |
カエルアンコウ・ カサゴ | × | × | クマノミを捕食します。 |
エイ・サメ | × | × | クマノミを捕食します。 |
クマノミと混泳ができるオススメの海水魚
- クマノミに対して攻撃性がないこと
- クマノミの口に入るサイズでないこと
- クマノミとの極端なサイズ差がないこと
以上3点を満たしている魚種であれば、大きな問題は起こりにくいと言えます。
しかし、海水魚の混泳に絶対はないので何かトラブルが起こっていないか日々の観察はしっかり行いましょう。
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